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家にまつわるいろんなこと

家相について

 最近個人の一戸建て住宅をあまりやっていない私ですが、それでもたまに設計依頼があります。
 その時結構家相を気にされる方が居られます。といっても私の場合は、そんなにゴリゴリに吉相家相に従えという方には遭遇したことはありません。「水まわりは鬼門をはずして欲しい」といった程度ですので問題はありませんでした。
 しかし、実際には全ての方位についての吉相凶相があって、それを全て守れば一つのプランしか出来ないのではないかと思うほど細かく書いてあります。

 それらの詳細については、それ専門のサイトにお任せすることにして、そこから感じたことをちょっと書いてみます。
 まず、家の方角を見る時にどこを中心とするかなのですが、これがまた「流儀」によって色々あるのです。そして肝心の吉相凶相の方位については、これまた「流儀」によって微妙に違ってきます。違わないのは「鬼門」というやつですが、これとて15度の範囲に限定するものから60度を鬼門とするものまで様々です。つまり、これといった決まったものはないと言え、ある人によれば凶相の家であっても、別の人が見ればこの上ない吉相の家であるということが起こってしまうのです。
 また「中心に階段あるものは凶相」とするものがありますが、実際問題壁に囲まれた階段室ならば暗くてあまり良いプランニングとは言えないけれど、吹き抜けの部屋に設けられた開放的な階段であれば例え「中心」に位置したとしても何も問題はないと考えます。
 家相の教えの中には、ある程度科学的根拠のあるものもありますが、それでも昔の土間流しの台所や、汲取り便所を考慮したものだったりするわけで、現代の住宅においてはあまり問題にはならなくなっています。ましてや、意味のわからない「迷信」じみたものは殆どオカルトの世界ですね。

 しかしながら、私としてはこれらをまったくバカげた事として無視するというつもりもありません。気にされる方に対しては、なるべくそれに沿うようにプランニングしたいと思っています。
 というのは、この家相というものは一種の方便だと考えるからです。なにか不吉なことが起こったとき「拝み屋さん」に占ってもらう人が居ますが、必ず「どこどこに○○があるのがいけない」というご宣託がでますよね。わけのわからない不安に対して、何某かの「答え」を出してもらえると人間は落ち着くものです。精神的にまいっている人が精神科で「あなたは△△病です」という診断がついた途端、ホッとするという話に似ています。もしもプランニングがパーフェクトな家相でなければ(全てそうなると思いますが)、何か良くないことが起こったとき、その「せい」に出来るというわけです。
 最近は家相に良く似たもので「風水」が流行ってますね。これは中国系の国々でもてはやされていたものですが、同じようなものですね。
 日本でも平安京の都市計画にも使われたわけですが、東洋医学とは違ってこれも全く占いの世界であり、あまり気にしすぎるとかえって不幸になるかもしれません。
 いいとこ取りで、都合の良いように使うというのが賢い使い方ではないでしょうか。

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