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家にまつわるいろんなこと

大邸宅でないのなら

 最近は不況で、当地においても建築数は減っております。しかし、新しい住宅団地にはちらほらと住宅が建ちかけています。
 しかし、自分の手がけたものではないというヤッカミ(^_^;)を除いたとしても、それらを見て悲しくなることが多いですね。
 それは何かと言うと、その敷地に合った計画がなされたものがあまりにも少ないということです。
 いくら田舎とは言え、土地の値段はタダではないですから、そんなに広い敷地を持てる人は居ないでしょう。開発された団地においても、その区画坪数はコンパクトなものです。でも、そこに建てられた家といえば、まるで周囲になにもない広い庭があるかのようなものばかり。隣とは50cmぐらいしかないというのにメインの窓があったり、通りに面した駐車スペースがメインの庭だったりと、もう少し考えられないのかといつも思って歩いています。

 これは結局、紙の上で適当に部屋を配置し、それらしい立面をデザインして終わりというようなことから起こるのではないかと思えてきます。いくら隣と接近していても、どこかには風通しの良いところがあるものだし、日照を確保できる方向があるはずです。周囲に何も建っていないのならともかく、既にお隣さんの家があるような敷地に家を建てたところ、カーテンをあけるとお隣さんとバッタリ目が合ってしまい、落ち着いて生活できないなんてのは、折角の新築なのに残念で仕方ないでしょうに。
 その点「町家」というものは良く考えられたものだと思いますね。隣とは壁を共有しないといけないけれど、通り庭や、中間どころに中庭があって通風と日照が充分に確保されています。全ての町家が同じような位置に中庭があるので、結構風が通るんですね。
 しかし、京都では隣にビルやマンションが建ってこれらが分断され、また高層のそれらから見下ろされるといった環境の破壊が行われ、その利点が損なわれてきているようです。

 現代においては、そんな町家の家並みのように、お互いに申し合わせたように家を創る事は困難ですが、それでもプランニングによって何とか解決する手段はあるものです。また、住み手の方においても、その土地にあった住まい方、ライフスタイルというものを同時に考える必要があると思います。アメリカの郊外のような広い敷地に家を建てられる人は殆ど居ないわけですので、そろそろそういうことが良く考えられた住宅が建っても良いのではないかと思うのですが、残念ながらお目に掛かることはありません。
 プランとは、その家の中だけで帳尻をあわせただけでは50点でしかないのです。そもそも「モデルプラン」なんてものは殆ど役に立たないはずなんだけどなぁ・・・

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